ChatGPTやGeminiに「おすすめの○○は?」と聞いたとき、AIはどのページを読んで自社を説明しているでしょうか。海外では「AIの回答の根拠は大半が自社サイトの外にある」という調査が注目されています。一方、日本の業界別の調査では、ChatGPTが引用したページの68〜89%は事業者の公式サイトでした。どちらも事実ですが、数え方が違います。
確かなのは、AIの説明が自社サイトだけでは決まらないということです。公式サイトには競合のサイトも含まれ、AIによってはメディアの記事も多く読みます。何から説明が組み立てられるかはAI・業界・質問によって違い、モデルの更新でも変わります。だからこそ、一般論で外部対策を始めるのではなく、自社に関わる質問で情報源を確かめてから手を打つ必要があります。
| 確かめること | 見るもの |
|---|---|
| AIが自社をどう語るか | 自社を知っているか、一貫して言うか、好意的に言うか |
| 何をもとに語っているか | 自社サイトのどのページか、外部のどのサイトか |
| ずれの原因は何か | 古い情報、誤った情報、体験への不満 |
本記事では、AIの説明が何から組み立てられているかを国内外の調査から整理し、情報源の確かめ方と、外での語られ方の整え方、そしてDr.AISEOで情報源を特定する方法を紹介します。
まずは無料でAISEOスコアを確認する →「AIの根拠は大半が外部」という主張は、数え方によっては正しく、数え方によっては言い過ぎです。外部に競合の公式サイトを含めるかどうかで、見え方が大きく変わります。さらに、どのページが読まれるかはAIごとに違い、モデルが更新されるたびに変わります。
国際SEOコンサルタントのAleyda Solisは、SaaS・EC・金融の15ブランドについて、ChatGPT・Gemini・GoogleのAIモードで多く引用された上位10ドメインを分析しました(Aleyda Solis、2026年8月)。自社のドメイン以外が占めた割合は、SaaSで82.3%、金融で79.4%、ECで69.6%でした。
ただし、この「自社以外」には、メディアやレビューサイトだけでなく、競合や代わりになる商品のサイトも含まれます。ECでは競合・マーケットプレイスのドメインが36.6%を占め、ChatGPTでは37.7%、Geminiでは44.7%が競合側でした。「外部」は「メディア」と同じ意味ではありません。
Dr.AISEOとバクリ株式会社は、2026年10月に銀行と美容医療の質問をChatGPTとGeminiに繰り返し送り、引用元を集計しました。ChatGPTが引用・参照したサイトのうち、事業者の公式サイトは銀行ローンで89%、口座・預金で82%、美容医療で68%でした(ローン編、美容医療編)。この公式サイトには、自社だけでなく競合の事業者も含まれます。
一方、Geminiでは公式サイトの割合がローンで47%、口座・預金で54%にとどまり、メディア・他業種の記事を37〜38%読んでいました(Dr.AISEO)。ChatGPTが同じ記事を読んだ割合は1〜9%です。どちらのAIでも、個人のブログ・SNS・口コミの投稿は、6業界のどこでも参照の5%未満でした(Dr.AISEO)。
海外の調査と日本の調査を合わせると、見えてくるのは「外部が大半」ではなく、「1社から見れば、自社サイトは材料の一部にすぎない」ということです。残りが競合の公式サイトなのか、メディアなのか、公的機関なのかは、AI・業界・質問で変わります。
どの種類のページが読まれるかは、モデルの更新でも変わります。今の傾向が、次の更新後も続くとは限りません。
AI検索の計測ツールを提供するProfoundによると、ChatGPTの既定のモデルがGPT-5.6になった2026年8月、引用に占める商用ページの割合は22.6%から30.4%に増えました(Profound)。この数値は計測ツールの企業が自社のデータで集計したもので、OpenAIの発表ではありません。それでも、1回の更新で引用元の構成がこれだけ動くことは、過去の調査結果をそのまま今後の方針にできないことを示しています。ChatGPTのモデル更新の詳細は「ChatGPTに引用される条件を、しくみから読み解く。独自インデックス・文章の切り出し・モデル更新の最新事情」で解説しています。
外部対策は、AIが自社に関わる質問で実際に読んでいる場所から優先順位を決めます。手段は、メディアへの掲載だけではありません。Aleyda Solisは、AIに引用される第三者の情報を種類ごとに整理し、優先順位をつける枠組みを公開しています(Aleyda Solis、2026年10月)。挙げられている種類には、次のようなものがあります。
同氏は、これらを「AIの回答への影響」「ブランドと課題が結びつくか」「既存のマーケティング施策と連携できるか」「事業価値」「AIが参照先を変えても価値が残るか」「必要な工数」の6つで評価することを勧めています。この枠組みを使うときは、まず、自社に関わる質問(「おすすめの○○は?」など)に答えるとき、AIが実際に繰り返し引用しているサイトから手をつけます。どれだけ有名な媒体でも、その質問でAIが読んでいなければ、回答の材料にはなりません。同氏も、AIの回答への影響は、媒体の知名度ではなく、重要な質問で繰り返し引用されているかで評価するよう求めています。そのうえで、参照先が変わっても顧客との接点として残るかを重く見ると、モデルの更新に振り回されにくくなります。
掲載される中身にも注意が要ります。Citation Labsは、自社の名前とリンクが載るだけでは足りず、誰向けに、どんな課題を解決するサービスかという説明がリンクの周りにあることが大切だと述べています(Search Engine Land、2026年5月)。
お問い合わせはこちら →AIの説明と、自社の伝えたいことがずれていたら、まず原因を分けます。原因は、古い情報、誤った情報、体験への不満の3つに分けられます。直す順番は、体験、自社の説明、外部の情報です。
誤った説明は、企業への信頼にも響きます。株式会社ギャプライズが2026年2月に行った調査では、SaaS・士業・美容医療・保険・化粧品を直近1年に購入・契約した800人のうち、71.4%が「AIが誤った回答をした場合、企業や商品への信頼が下がる」と答えました(PR TIMES)。
直す順番を間違えると、手間をかけても説明は変わりません。体験への不満が原因なら、記事やプレスリリースを増やしてもAIの説明は変わりません。先に、サポートや商品の担当が原因を直します。コンテンツマーケティング会社のSiege Mediaは、レビューで繰り返される不満を、それを直せる部署に共有することを勧めています(Siege Media、2026年9月)。
次に、自社サイトの説明を最新の正しい内容にそろえます。料金、提供範囲、対応していないこと、会社の沿革や役員の変更などを、言い切る文で書いておくと、AIにも外部の書き手にも確かな材料になります。そのうえで、古い情報が残る外部のページの運営者に更新を依頼し、自社の質問で読まれている媒体に、正しい情報で載る機会をつくります。
外部の情報が大切だからといって、言及を大量に買うのは逆効果になりえます。Search Engine Landへの寄稿では、関係の薄いサイトへの有料掲載や、古いアカウントを使ってRedditに大量に投稿する手法が売られている実態が報告されています(Search Engine Land、2026年6月)。寄稿者は、有料の言及を足せばAIに名前が出やすくなるという十分な証拠はないと指摘しています。
Googleも、AI Overviewsに表示されるために特別な最適化は要らず、検索の基本とポリシーがそのまま当てはまると説明しています(Google)。利用者を装った投稿や、広告であることを隠した掲載は、見つかれば評判そのものを損ないます。
AIの回答は、同じ質問でも毎回変わります。1回の確認で「引用されていない」「説明が間違っている」と判断せず、同じ質問を繰り返し送り、どのくらいの割合で名前が出るかを見ます。
米SparkToroのRand Fishkinは、約600人の協力者にChatGPT・Claude・GoogleのAIへ12の質問を送ってもらい、2,961件のおすすめの一覧を集めました(SparkToro、2026年1月)。100回のうち、同じブランドの一覧が2回出る確率は1%未満で、同じ順番になるのは約1,000回に1回でした。
一方で、名前が出る割合は安定していました。ある病院は、西海岸のがん専門病院を聞く質問で、ChatGPTの71回の回答のうち69回(97%)に登場しましたが、1位に挙がったのは25回でした。同氏は、AIの中での「順位」は信頼できない一方、何度も送って名前が出る割合を見ることには意味があると結論づけています。なお、共同研究者はAIの回答を計測するツールの企業に所属しており、同氏もその点を断っています。
弊社の共同調査でも、同じ質問を2回送ったとき、2回とも開かれたページはChatGPTで11〜18%、Geminiで23〜32%にとどまりました(ローン編、口座・預金編)。業界横断編では、すべての回で開かれたページは4〜32%でした(Dr.AISEO)。
ところが、読まれるサイトの種類は、すべての回で89〜100%(質問ごとの中央値)が一致しました。個々のページの引用は入れ替わっても、「この質問では金融機関の商品ページと公的機関が読まれる」といった傾向は変わりにくいということです。情報源を確かめるときは、1つのURLにこだわるより、どの種類のサイトが読まれているかを繰り返しの計測で見るのが確実です。
Dr.AISEOは、登録したカテゴリの質問ごとに、AIが自社をどう語ったかと、その説明が何をもとにしているかを、回答の本文と参照・引用されたURLまでさかのぼって確かめられるツールです。記事で紹介した「確かめる、原因を分ける、直す、繰り返し確かめる」の流れを、ひとつの画面で進められます。
被参照記事分析の画面では、AIが回答の情報源にしたドメインを一覧で確認できます。ドメインごとに、自社が掲載されているか、引用されたURLの数、参照率・引用率と、競合が参照・引用された割合が表示されます。ドメインを開くと、引用された記事のURLと、そのドメインを引用した質問の一覧が分かります。
自社の掲載を「未掲載」で絞り込めば、AIが自社の質問でよく読んでいるのに、自社が載っていないドメインが分かります。前の章で紹介した外部対策を、どこから始めるかを決める材料になります。自社が把握していないページや、古い情報のページが拾われていれば、直すべき場所も分かります。
情報源のURLだけでなく、AIの回答の本文もすべて記録されます。自社の名前が出たか、どんな特徴として説明されたか、競合とどう比べられたかを、本文で確かめられます。ブランドが登場したかは、AIが文脈から判定し、同じ表記の一般名詞や同名の別企業は数えません。
登録した質問は、週2回(日曜・木曜)自動で実行され、回答のログが積み上がります(2026年10月時点。無料プランは週1回)。1回の結果ではなく、名前が出る割合や読まれるサイトの種類の変化を見られます。モデルが更新されたときも、自社の業界の質問で何が変わったかを前後のログで比べられます。過去の回答は、記録していなければ後から取り戻せません。
AIの説明は、自社サイトだけでは決まりません。ただし「外部が大半」と一般化できるわけでもなく、事業者の公式サイトが中心のAIもあれば、メディアの記事を多く読むAIもあります。どのページが読まれるかは、業界と質問によって違い、モデルの更新でも変わります。
だからこそ、カテゴリの質問でAIが自社をどう語っているかを確かめ、その説明が自社サイトのどのページと、外部のどのサイトから組み立てられているかを特定します。ずれがあれば、古い情報・誤った情報・体験への不満に分け、体験、自社の説明、外部の情報の順に直します。結果は1回で判断せず、同じ質問を繰り返し送って確かめます。
AIが自社の業界の質問で何を読んでいるかは、Dr.AISEOの無料プランで確かめられます。まずはカテゴリの質問をいくつか登録し、情報源のログを積み上げるところから始めてください。