2026年9月、米国のGoogle検索で、ブランド名を含む検索にもAI Overviews(AIによる概要)がほぼ標準で表示されるようになりました。Ahrefsの調査では、9月29日時点で米国のパソコン版の検索結果の82.91%に表示されています。自社の名前で検索した人が最初に読むものは、自社サイトではなくAIの要約になりつつあります。
しかも、その要約の出典になっているのは、Wikipedia、YouTube、LinkedInといった外部のページが中心です。指名検索はこれまで「自社サイトが1位に出る、管理の要らない検索」と考えられてきましたが、これからは「AIが自社について何を書き、何を出典にしているか」を確かめて整える対象になります。
| これまでの指名検索 | AI Overviewsが表示される指名検索 | |
|---|---|---|
| 最初に目に入るもの | 自社サイト | AIによる要約 |
| 自社の説明をしているのは | 自社 | AI(外部ページを出典にする) |
| 確認すべきこと | 順位 | 要約の内容と出典 |
本記事では、9月に何が起きたのかを複数の調査で整理し、自社のブランド名で表示される内容を確かめて整える方法と、Dr.AISEOで指名検索のAIの回答を追い続ける方法を紹介します。
2026年9月、ブランド名を含む検索でAI Overviewsが表示される割合が、複数の計測会社のデータで急上昇しました。Googleはこの変化について発表していません。
Ahrefsは、米国のパソコン版のGoogle検索結果2億3,280万件(うちブランド名を含む検索9,250万件)を分析しました。ブランド名を含む検索でAI Overviewsが表示された割合は、月平均で7月61.3%、8月65.1%、9月73.3%と上がり、9月29日時点では82.91%に達しています。ブランド名を含まない検索は9月に78.3%で、7月からの伸びは4.8ポイントにとどまりました。(Ahrefs)
Ahrefsは別に、Interbrandの世界ブランドランキング2025から選んだ100ブランドの名前そのものを毎週検索しています。AI Overviewsが表示されたブランドは、7月1日には98件中5件でしたが、9月30日には100件中63件になりました。増加の大半は9月に入ってからです。(Ahrefs)
順位計測ツールを提供するDemandSphereの日次データでも、同じ動きが確認されています。追跡しているブランド名の検索のうちAI Overviewsが表示された割合は、9月1日の26.12%から、9月27日には90.48%まで上がりました。(DemandSphere)このほか、Nectivのクリス・ロング氏は大手企業100ブランドのうち93ブランドでAI Overviewsを確認しています。Search Engine Roundtableのバリー・シュワルツ氏の確認では、Google自身の名前と報道機関の名前は例外でした。(Semrush)
3つの調査は、どれも「ブランド名を含む検索」の定義を公開していません。対象も、Ahrefsは米国のパソコン版、DemandSphereは全市場・全端末の合算と異なるため、数値をそのまま比べることはできません。
また、どちらの会社も計測ツールを販売しており、記事は自社ツールの紹介を兼ねています。Googleは変化を発表しておらず、この状態が続くかどうかも分かっていません。それでも、別々の方法で取った複数のデータが9月に同じ方向へ大きく動いたことから、ブランド名検索でAI Overviewsが広がったこと自体は確かだと考えられます。
AI検索対策に役立つ資料のダウンロードはこちら →ブランド名で検索したときのAI Overviewsは、ほとんどが検索結果の最上部に表示され、出典の多くは自社サイト以外の外部ページです。
Ahrefsの100ブランドの調査では、9月30日にAI Overviewsが表示された63件のうち48件(76.2%)が検索結果の1位の位置にあり、平均は1.49位でした。(Ahrefs)ブランド名で検索した人が最初に目にするのは、自社サイトのリンクではなくAIの要約だということです。
出典の一覧を確認できた57件のAI Overviewsでは、Wikipediaが41件(71.9%)で引用されていました。続いてYouTubeが22件(38.6%)、LinkedInが13件(22.8%)、Yahoo Financeが9件(15.8%)、Facebookが6件(10.5%)です。1件のAI Overviewsが複数のドメインを引用するため、割合の合計は100%を超えます。(Ahrefs)
一方、ブランドの公式サイトがどれだけ引用されたかは公表されていません。競合ブランドに触れた回答は58件中2件(3.4%)とまれで、ペプシの回答でコカ・コーラに、インテルの回答でTSMCとNVIDIAに触れた例がありました。AI Overviewsは、競合と比べるよりも、外部の情報源をもとにブランドそのものを説明していると言えます。AIがどのドメインを引用しやすいかは、「AI検索で最も引用されるドメインとは?5,860万件のデータで読み解く引用シェアの構造」でも解説しています。
指名検索でAI Overviewsが表示されると、クリックの減少、自社の説明を外部ページに委ねること、古い情報が最上部に出ること、の3つの問題が起こりえます。
Ahrefsが2026年2月に公開した調査では、AI Overviewsが表示される検索で、1位のページのクリック率は表示されない場合より58%低くなっていました。(Ahrefs)ただしこの調査は情報を調べる検索が対象で、ブランド名検索での影響はまだ測られていません。
ブランド名で検索する人は、公式サイトに行く、ログインする、問い合わせるといった目的がはっきりしていることが多く、要約を読んでも結局はクリックする場合があります。そのため、指名検索のクリックがそのまま58%減ると考えるのは早計です。影響は業種や検索の目的によって変わるため、自社のデータで確かめる必要があります。検索流入の変化への備え方は、「【2026年最新】検索トラフィック20%減の衝撃。AI回答時代に顧客接点を維持するAISEO経営戦略」で解説しています。
AI Overviewsの出典がWikipediaやYouTubeが中心だということは、検索結果の最上部で自社を説明しているのが、自社ではなく外部ページだということです。クリス・ロング氏は、外部の情報源が検索結果の中で直接ブランドの印象をつくれるようになったと指摘しています。(Search Engine Journal)
自社サイトで伝えたい強みや最新のサービス内容が、外部ページに書かれていなければ、AI Overviewsにも反映されにくくなります。
AhrefsはAI Overviewsが公式ではない動画を引用し、古い商品情報が表示されるおそれがあると指摘しています。(Ahrefs)料金の改定、サービスの終了、社名の変更などが外部ページに反映されていなければ、古い内容が指名検索の最上部に表示されることになります。
指名検索をする人の多くは、すでに自社を検討している見込み客や既存顧客です。その人たちに誤った情報が伝わると、問い合わせ対応の手間が増えたり、検討から外れたりする原因になります。
まずは無料でAISEOスコアを確認する →2026年10月時点で、日本の検索結果に絞って、ブランド名検索でのAI Overviewsの表示率を示した公開データは見当たりません。DemandSphereの数値は全市場・全端末の合算で、Ahrefsの調査は米国のみが対象です。
AI Overviewsは日本でも2024年8月から日本語で提供されており、今回の変化が日本にも及んでいるかどうかは、外部の調査を待つより自社で確かめるほうが確実です。自社のブランド名で検索したときに何が表示されているかは、次の手順で確認できます。
自社のブランド名で表示されるAI Overviewsは、実際に検索して記録する方法と、Google Search Consoleのデータで影響を見る方法の2つを組み合わせて確かめます。
ブランドクエリフィルタは、一定の検索量がある最上位のプロパティが対象で、Googleが自動で判定する仕組みのため、ブランド名を含む検索を取りこぼす場合があります。どちらのレポートも国による制限は公表されていません。
AI Overviewsの内容は、出典になるページの内容で決まります。自社で直せるページは最新の情報にそろえ、直接は直せないページは、正しい情報が載るように外から働きかけます。
公式サイトの会社概要、サービス紹介、料金、FAQのページは、最新の内容になっているかを確認します。AIは画像やPDFの中の文字を読み取りにくいため、会社の基本情報や主要な数値はHTMLの本文として書きます。
YouTubeの公式チャンネルやLinkedInの会社ページなど、Ahrefsの調査で出典として多く引用されていた外部サービスのうち自社で管理しているものも、説明文と内容を公式サイトとそろえます。古い動画の概要欄や、更新が止まった会社ページが出典になっていることもあるためです。
ChatGPTについての調査ですが、ブランドについて質問されたChatGPTは、ブランドの公式ドメインに絞った検索をよく行うことが分かっています。MJ Cachón氏が189件のブランドに関する質問を分析したところ、ChatGPTが内部で行った検索の30.2%がドメインを指定した検索で、その55.1%がブランドの公式ドメインでした。(MJ Cachón)同じ調査では、会社の属性ごとに独立したページを用意すること、更新日を明記すること、公式のSNSアカウントをサイトからリンクしてそろえることが勧められています。
Wikipediaは、利害関係のある企業が自ら記事を編集することを原則として避けるよう求めています。自社で書き換えるのではなく、ノートページで誤りを指摘する、信頼できる第三者の報道や資料を増やすといった方法で、正しい情報が載る状態をつくります。
メディアの記事、比較サイト、口コミも同じです。プレスリリースで最新の情報を発信し、誤った記載を見つけたら運営元に訂正を依頼します。AIがブランドの情報をどのように外部の情報源と結びつけているかは、「AIモデルが現実とブランドに紐づくしくみ。AIOとグラウンディングの関係」で詳しく解説しています。
AI Overviewsは日によって表示されたりされなかったりし、出典も入れ替わります。一度確認して終わりにするのではなく、同じ条件で記録し続けることで、変化に気づき、手を打った効果を確かめられます。Dr.AISEOでは、その記録を自動で残せます。
Dr.AISEOでは、ブランド名や「(ブランド名) 評判」のような指名検索の言葉を計測対象として登録できます。Google AI Overviewsは、地域を日本、言語を日本語に指定した検索結果ページから取得しています。AI Overviewsが表示されなかった回も記録されるため、自社のブランド名でAI Overviewsがどのくらいの頻度で表示されているかを、日本の検索結果で追えます。
取得したAI Overviewsは、集計した数値だけでなく、回答の本文と、出典になったURLまで確認できます。どの外部ページが自社の説明に使われているか、出典を直したあとに回答がどう変わったかを、記録をさかのぼって確かめられます。AIの過去の回答は、記録していなければ後から取り戻せません。
ChatGPTとGeminiでも同じように、ブランド名で質問されたときの回答と出典を記録できます。GoogleのAI Overviewsだけでなく、主要なAIが自社をどう説明しているかを1つの画面で比べられます。取得方法の詳細は、「AI検索の計測は「UI」と「API」のどちらで取るべきか? 同じChatGPTでも結果が重ならない理由」で開示しています。
2026年9月、米国のGoogle検索では、ブランド名を含む検索の8割前後でAI Overviewsが表示されるようになりました。その多くは検索結果の最上部に表示され、出典はWikipedia、YouTube、LinkedInといった外部ページが中心です。指名検索はもう、自社サイトが1位に出れば済む検索ではありません。
日本の検索結果での状況は、公開データではまだ分かりません。まずは自社のブランド名で検索して記録し、Search Consoleでクリック率の変化を確かめ、出典になっているページを最新の情報にそろえることから始めるのが確実です。
Dr.AISEOでは、ブランド名で表示されるAI Overviewsを、日本の検索結果で、回答の本文と出典まで記録し続けられます。まずは無料プランで、自社のブランド名がAIにどう説明されているかを確かめてみてください。