AI検索での露出を測るツールは、AIの回答を「UI(利用者が使う実際の画面)」から取得するものと、「API(開発者向けの窓口)」から取得するものに分かれます。同じChatGPTでも、この2つの方法で取った回答は大きく異なり、登場するブランドの重なりは3割に届かないという検証結果もあります。
UIとAPIは、どちらが正しいかを競うものではなく、別のものを測る計測器です。ツールを選ぶときに確認すべきなのは、AIサービス(チャネル)ごとにどちらの方法で取得しているかと、それを開示しているかどうかです。
| UI取得 | API取得 | |
|---|---|---|
| 測っているもの | 利用者が実際に目にする回答 | 条件をそろえたときのモデルの回答 |
| 強み | 本番のモデル、ライブの検索、実際の引用をそのまま測れる | 同じ条件での比較ができ、モデルを固定でき、規模を広げやすい。Web検索をオフにすると、モデルが学習している情報だけで自社ブランドがどれくらい入っているかを測れる |
| 弱み | 時間と費用がかかる | 利用者が見る回答とは別物になる |
| 向いている用途 | 利用者に見えている露出の把握 | 条件を固定した比較や検証 |
本記事では、UIとAPIの違いを検証データとともに整理し、Dr.AISEOがチャネルごとにどちらの方法を採用しているかを開示します。
AI検索対策に役立つ資料のダウンロードはこちら →AI検索には、Googleの検索順位のように誰でも確認できる公式の数値がありません。そのため計測ツールは、登録したプロンプトをAIに送り、返ってきた回答を記録して数値をつくります。その「送り方」には、UIとAPIの2種類があります。
UI取得は、ChatGPTやGeminiの画面にプロンプトを入力し、表示された回答を読み取る方法です。ブラウザの自動操作や、専門の取得サービスを使って行います。
画面に表示される回答には、そのAIサービスが一般の利用者向けに設定しているシステム指示、検索を使うかどうかの判断、出典の表示、回答の長さの調整などがすべて反映されています。つまり、利用者が実際に目にする回答そのものを記録できます。
API取得は、AIサービスが開発者向けに提供している窓口(API)にプロンプトを送り、回答を受け取る方法です。
APIでは、使うモデル、システム指示、Web検索を使うかどうかを、取得する側が決めます。そのため、同じ条件での比較ができます。一方で、一般の利用者向けの画面に組み込まれている設定や機能は含まれません。
また、Web検索をオフにすると、その場の検索結果を使わず、モデルが学習している情報だけで回答させることができます。これにより、自社ブランドがモデルの知識にどれくらい入っているかを測れます。
同じプロンプトでも、UIとAPIで取得した回答は、登場するブランド、回答の長さ、引用される出典のいずれも大きく異なります。
Surferは、1,000個のプロンプトを5つのAIサービスでUIとAPIの両方から取得し、計13,779件の回答を比較しました(2026年8月)。その結果、UIとAPIで登場したブランドの重なりは15.5〜23.8%にとどまりました。表記ゆれをそろえた後でも21.3〜31.6%で、最も重なりが大きかったGeminiでも、10ブランドのうち3つ程度しか一致しませんでした。(surferseo.com)
別の検証でも、同じ傾向が報告されています。Petra Labsは1つのプロンプトをそれぞれの取得方法で300回ずつ実行し、ログインしたChatGPTの画面とAPIでは、上位5つの推奨ブランドの重なりが25%だったとしています。(petralabs.com)
Surferの検証では、ChatGPTで特に大きな差が出ています。
| 比較項目(ChatGPT) | UI取得 | API取得 |
|---|---|---|
| 1回答あたりのブランド数 | 7.9 | 13.8 |
| 回答の語数 | 基準 | 約2.05倍 |
| 1回答あたりの出典数 | 12.1 | 3.1 |
| Web検索が使われた割合 | 88% | 83% |
引用されたドメインの重なりは、ChatGPTでわずか4.8%でした。APIの回答に出てくるブランドや出典が、利用者の画面には出ていないことも珍しくありません。
なお、この検証は各プロンプトを1回ずつ取得したものです。AIの回答は同じ条件でも毎回変わるため、差の一部は取得方法の違いではなく、回答そのもののばらつきによるものと考えられます。それでも、2つの取得方法が同じものを測っていないことは明らかです。
UIとAPIは、同じモデル名を使っていても、別のシステムとして動いています。
計測ツールのベンダーの間では、「UIとAPIのどちらで取得すべきか」をめぐって主張が分かれています。
UI派は、計測の目的は「利用者に自社がどう見えているか」を知ることであり、それを測れるのはUI取得だけだと主張します。Surfer、Profound、Semrushなどがこの立場で、Surferは「APIではAI上の露出を追跡できない」とまで述べています。
UI取得では、本番のモデル、その場で行われる検索、実際に表示される出典をそのまま記録できます。APIの回答をもとにすると、利用者の画面には出ていないブランドや出典まで数えてしまい、露出を実態より多く見積もるおそれがある、というのがUI派の指摘です。
一方で、UI取得は時間と費用がかかり、AIサービスの画面が変わるたびに取得の仕組みを直す必要があります。規模を広げにくいことは、UI派も認めています。
API派は、UI取得は「ある1つの画面設定」の回答しか捉えられず、安定性にも欠けると主張します。代表的なのはConductorです。
実際の利用者は、パソコンとスマートフォン、無料版と有料版、ログインの有無など、さまざまな環境でAIを使っています。UI取得で記録できるのは、そのうちの1つにすぎません。たとえばログインしていない状態の画面では、利用者の多くが使う環境とは異なるモデルが使われることがあり、その回答だけを測ると実態からずれる、という指摘です。
APIなら、モデルや検索の設定を明示したうえで、同じ条件で何千回でも取得できます。検索が使われたかどうか、どの出典を参照したかも、回答と一緒に記録として残せます。
両者の主張は、どちらも各社が自社で採用している方式を支持するものです。読み手はそのことを前提に、データと主張を分けて受け取る必要があります。
そのうえで整理すると、UI派が重視しているのは「利用者が見ているものにどれだけ近いか」、API派が重視しているのは「同じ条件での比較ができるか」です。AI検索の回答には「唯一の正解」がないため、どちらか一方だけが正しいわけではありません。何を知りたいかによって、適した方法が変わります。
まずは無料でAISEOスコアを確認する →UIとAPIのどちらを使うかは、すべてのAIサービスで選べるわけではありません。
GoogleのAI Overviewには、同じ回答を得られる公開APIがありません。そのため、Googleの検索結果ページから取得するしかありません。逆に、GeminiのAPIで、Google検索で情報を調べてから回答する機能(グラウンディング)を有効にして取得した回答は、Geminiアプリの画面に表示される回答とは別物です。
このように、AIサービスによって取れる方法は異なります。多くの計測ツールは、実際にはチャネルごとにUIとAPIを使い分けた「混合」で計測しています。重要なのは、どのチャネルをどの方法で取得しているかが開示されているかどうかです。
UIとAPIのどちらが適しているかは、計測で何を知りたいかによって決まります。
| 目的 | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 利用者に見えている露出を把握したい | UI | 利用者が実際に目にする回答を測れる |
| 施策の効果を、条件を固定して確かめたい | API(モデルを固定) | AIサービス側のモデル更新の影響を除いて、変化を追える |
| モデルの知識に自社ブランドがどれくらい入っているかを知りたい | API(Web検索をオフ) | その場の検索結果に左右されず、モデルが学習している情報だけで測れる |
| 長期の推移を追いたい | どちらか一方に固定する | 途中で取得方法を切り替えると、推移が途切れる |
UI取得では、AIサービス側でモデルが切り替わると、自社が何もしていなくても数値が変わることがあります。API取得でモデルを固定すれば、その影響を除いて、自社の施策による変化を見やすくなります。一方、API取得の数値が上がっても、利用者の画面でも同じように露出が増えているとは限りません。
どちらの方法を選ぶにしても、一度決めたら途中で切り替えないことが大切です。取得方法が変わると、数値の変化が「AIの回答が変わったから」なのか「測り方が変わったから」なのか、区別できなくなります。
Dr.AISEOは、AIサービスごとに取得方法を選んでいます。
| チャネル | 取得方法 | 主な設定 |
|---|---|---|
| ChatGPT | UI取得(標準)。組織ごとに公式API(Web検索あり)での取得にも切り替え可能 | UI:モデル・モードは画面の標準(2026年9月時点の実測ではGPT-5.6系)、Web検索あり、実行する国は日本 API:モデルをgpt-5.6-lunaに固定、推論なし、Web検索を必ず使用 |
| Gemini | 公式API(グラウンディングを有効化) | モデルをgemini-2.5-flashに固定 |
| Google AI Overview | Googleの検索結果ページから取得 | 地域を日本、言語を日本語に指定 |
ChatGPTは、標準では実際の画面から回答を取得しています。利用者が目にする回答に近いものを測るためです。
あわせて、お問い合わせいただければ、組織ごとに公式APIでの取得に切り替えることもできます。API取得ではモデルをgpt-5.6-lunaに固定しているため、ChatGPT側のモデル更新に左右されずに、自社の施策による変化を追いやすくなります。「利用者に見えている露出を知りたい」のか、「条件をそろえて施策の効果を確かめたい」のか、目的に応じて選べるのがDr.AISEOの特長です。
Geminiは、Google公式のAPIで、Google検索で情報を調べてから回答する機能(グラウンディング)を有効にして取得しています。モデルをgemini-2.5-flashに固定しているため、条件をそろえた比較に向いています。Geminiアプリの画面に表示される回答そのものではなく、Google検索の情報をもとにGeminiが回答した結果を測っています。
AI Overviewには公開APIがないため、Googleの検索結果ページから取得しています。地域を日本、言語を日本語に指定し、日本の利用者が検索したときに表示される回答を想定した条件で測っています。
集計した数値だけでなく、そのもとになったAIの回答本文、参照されたURL、引用されたURLを確認できます(AI Overviewに限っては、参照されたURLと引用されたURLがまったく同じになります)。取得方法の違いによって数値がどう変わったのかを、利用者自身が回答までさかのぼって確かめられます。
計測は週2回、日曜日と木曜日に自動で実行します(無料プランは週1回)。1回の実行では、1つのプロンプトをAIサービスごとに1回ずつ送ります。定期実行とは別に、利用者が画面から好きなときに手動で実行することもできます。
ブランドが登場したかどうかは、AIで判定しています。回答ごとに、自社ブランドと登録済みの競合ブランドが、それぞれ固有名詞として登場しているかを文脈から読み取ります。同じ表記の一般名詞(たとえば「note」と「ノート」)や、同じ名前の別企業は、言及として数えません。
UIとAPIのどちらが優れているかよりも、計測ツールが自社の方法をどこまで開示しているかが重要です。ツールを比較するときは、次の質問を各社に確認することをおすすめします。
なかでも重要なのは5つ目です。数値から元の回答までたどれなければ、その数値が正しく集計されているかを確かめる手段がありません。
UIとAPIは、同じAIサービスを対象にしていても、別のものを測る計測器です。UIは「利用者が見ているもの」に近く、APIは「条件をそろえた比較」に向いています。どちらか一方が正しいのではなく、計測の目的に合った方法を選び、途中で変えずに使い続けることが大切です。
そして、ツールを選ぶときに確かめるべきなのは、チャネルごとにどの方法で取得しているかを、そのツールが開示しているかどうかです。
Dr.AISEOは、ChatGPTでは実際のユーザーと同じ環境でデータを取得することができます。また、お問い合わせいただければAPI取得に変更も可能です。まずは無料プランで、自社ブランドがAIにどう表示されているかを確かめてみてください。