ChatGPTに自社の名前を出してもらうには、ChatGPTが「どこから」「どの単位で」情報を拾っているかを知る必要があります。2026年に入って公開された外部の調査からは、ChatGPTが外部の検索エンジンに加えて独自の検索インデックスを使っていること、そしてページ全体ではなく、ページから切り出した短い文章を回答の材料にしていることが分かってきました。
ChatGPTの引用の傾向は、モデルの更新のたびに大きく変わります。2026年8月のGPT-5.6では引用元が企業の公式ページに寄り、10月のGPT-6では回答に直接リンクが付く割合が4倍以上に増えたという計測があります。短期の傾向に振り回されず、変わらない土台を整えることが、遠回りに見えて近道です。
| 論点 | 分かってきたこと | 打ち手 |
|---|---|---|
| どこから情報を取るか | 外部の検索と、独自インデックスの併用 | 初期表示のHTMLで本文を読めるようにする |
| どの単位で使うか | ページから切り出した短い文章 | 文脈なしで意味が通る段落を書く |
| 傾向は続くか | モデル更新のたびに大きく変わる | 自社の回答ログで変化を追う |
本記事では、ChatGPTが情報源を選ぶしくみを公開されている調査から整理し、いま効く施策と注意が必要な施策、そしてDr.AISEOで自社の選ばれ方を確かめる方法を紹介します。
まずは無料でAISEOスコアを確認する →ChatGPTは、質問をいくつかの検索語に分解し、外部の検索エンジンと独自の検索インデックスの両方から候補を集めて回答を組み立てています。OpenAIはこのしくみを公式には説明していませんが、外部の調査でかなりの部分が見えてきました。
ChatGPTは、利用者の質問をそのまま検索するのではなく、内部で複数の検索語に分解してから検索します。この裏側の検索語は「ファンアウトクエリ」と呼ばれます。Ahrefsが2026年8〜9月にChatGPTの1,500万件のファンアウトクエリを分析したところ、裏側で検索が行われた回答は全体の14.4%で、1回答あたりの検索語は平均1.6個でした(Ahrefs)。
ファンアウトクエリには、利用者が入力していない言葉が足されます。同じ分析では、「official(公式)」を含む検索語の割合が10.1%から13.1%に、「price(価格)」を含む割合が6.0%から8.9%に増えていました。さらに、検索語の6.8%は特定のサイトに絞った検索で、その対象の75.9%は企業や商品のブランドサイトでした。
ChatGPTが検索に使う情報源は一つではありません。AI検索の計測ツールを提供するPeec AIは、ChatGPTの画面に送られてくるデータの中に、検索結果の取得元を示す項目が2026年5月21日から7月21日まで含まれていたことを報告しています。その値は4種類で、外部の検索結果を取得する業者を示すものに加え、「Labrador」という名前の独自インデックスがありました(Peec AI)。
Peec AIによれば、Labradorは一般のWebのほか、PDF、YouTube、ニュース、Wikipedia、地域情報、金融、法律、医療、ショッピング、画像など、分野ごとに分かれた12のインデックスで構成されています。同社は、検索結果ページよりも独自インデックスを優先するA/Bテストが、2026年8月中旬に会話の8%で行われていたことも確認しています。なお、これは計測ツールを提供する企業による外部からの観測で、OpenAIは認めていません。
独自インデックスに入っているページは、Googleの検索結果と同じではありません。Googleで上位のページがChatGPTにも拾われるとは限らず、反対にGoogleで評価されていないページが参照されることもあります。また、OpenAIのクローラーはJavaScriptを実行していないとする分析があり、本文をJavaScriptで表示するページは読まれない可能性があります(Vercel)。
日本語の質問でも、検索は日本語だけで行われるとは限りません。Ahrefsは、日本語の質問に対するChatGPTの引用で英語版Wikipediaが日本語版より上位に入っていたことから、日本語の質問を英語の検索語に展開している可能性が高いと推測しています(Ahrefs)。
生成AIは、検索で集めたページを丸ごと読んで回答するのではなく、見出しや段落の単位で短い文章に区切り、質問と関連の強い文章を回答の材料にします。ページを短い文章に区切って検索するのは、生成AIで外部の情報を使うときの一般的な方法です。
Anthropicは、区切った文章が前後の文脈を失うと、「同社の売上は前四半期比3%増えた」のように、どの会社の話か分からなくなる問題を説明しています(Anthropic)。どれだけ良いページでも、切り出された一部分だけでは意味が通らない文章は、回答の材料になりにくいということです。
切り出されても意味が通る文章ほど、材料として選ばれやすくなります。公開された分析と、切り出しのしくみから、条件は次の3つに整理できます。
書き換えの例を挙げます。「上記の理由から、同ツールは導入しやすいと言えます」は、切り出されると情報がありません。「Dr.AISEOの無料プランでは、ChatGPTとAI Overviews(AIによる概要)の回答を週1回自動で記録できます」と書けば、どこを切り取られても意味が通ります。
文章の長さを細かく最適化する必要はありません。区切り方はAIごとに異なり、画像や表をはさむだけでも区切りの位置は変わります。長さの調整より、段落ごとに一つの主張を言い切ることを優先します。
ChatGPTの引用の傾向は、モデルの更新で大きく変わります。モデルの更新は、Google検索のアルゴリズム変動と同じものとして扱い、前後で何が変わったかを確かめる対象にするのが現実的です。
2026年8月に既定のモデルになったGPT-5.6では、引用される情報源の種類が大きく変わりました。AI検索の計測ツールを提供するProfoundの計測では、2026年8月8日ごろを境に、8月6日から28日にかけて、ChatGPTの引用に占める商用ページ(商品・サービスを紹介し販売につなげるページ)が22.6%から30.4%に、製品の説明書や仕様書などのドキュメントが6.3%から11.6%に増えました(Profound)。
反対に減ったのが、利用者の投稿や百科事典の引用です。Ahrefsの分析では、2026年3月から9月にかけて、ChatGPTによるRedditの引用が88%、Wikipediaの引用が80%減っていました(Ahrefs)。
2026年10月7日から順次切り替わったGPT-6では、回答の本文にWebページへの直接リンクが付く割合が大きく増えました。Peec AIが同じ100万件のプロンプトで比べたところ、直接リンクのある回答は8〜10%から42%に増え、そのリンクの54%はトップページを指していました(Search Engine Journal)。
一方で、切り替え直後は本文中のリンクから流入元の情報が送られず、ChatGPTからの訪問がGA4で「直接流入」として数えられる問題が起きました。10月15日から修正が始まったと報じられていますが、GPT-6の前後でChatGPTからの流入を比べるときは、この期間の数値に注意が必要です。
モデル更新の影響は、どの分野の質問を見るかで変わります。Nicolas Sitter氏がホテル検索の質問でGPT-5.6の前後を比べたところ、1回の会話あたりの検索回数は変わっておらず、ほかの調査で報告された変化の一部は確認できませんでした(Nicolas Sitter)。特定のサイトに絞った検索が増えたという報告に対しても、dejan.aiは自社のデータでは増えていないと反論しています(dejan.ai)。
こうした数値は、どれも計測ツールや支援会社が自社のデータで集計したもので、OpenAIの発表ではありません。ある更新で特定の形式が増えたからといって、その形式に一斉に寄せるのは危険です。次の更新で、また逆に振れる可能性があるためです。
お問い合わせはこちら →モデルが変わっても効き続けているのは、AIが情報源にしているページで自社が言及され、推奨されている状態をつくることです。反対に、AI検索向けの小手先の施策は、効果が出ても長続きしにくくなっています。
ChatGPTが商品や料金のページを読むことは、弊社がバクリ株式会社と共同で実施している業界別の「AIO / AISEOドメインリサーチ」でも確かめられています。2026年10月に計測した銀行業界のローン編では、ChatGPTの参照の81%が「住宅ローン」「マイカーローン」といった金融機関の商品ページで、金利一覧やQ&Aのページを合わせると89%に達しました。美容医療業界編でも、ChatGPTがクリニックのサイトで読んだページの62%は施術メニュー・医師紹介・料金といった基本のページで、コラム・解説記事は4%にとどまりました。
これまでに公開した調査は次のとおりです。
日本語の質問では、ChatGPTが引用する情報源の顔ぶれが米国と大きく異なります。米国で上位のRedditは、日本では上位に入っていません。
Ahrefsが日本で約3,000万件のプロンプトをもとに集計した2026年9月版のランキングでは、ChatGPTが最も多く引用したドメインは、1位がコトバンク、2位がPR TIMES、3位がmybest、4位が食べログ、5位が厚生労働省でした。6月版で首位だったRedditは、上位20位の圏外に外れています(Ahrefs)。
日本企業にとっての手がかりは、PR TIMESが2位に入っていることです。プレスリリースは、企業自身が出す公式情報でありながら、第三者のサイトに掲載されます。新製品や価格改定、調査結果を、固有名詞と数値をそろえたリリースとして出しておくことは、日本のChatGPTに対して取りやすい施策です。比較サイトや口コミサイト、公的機関のページが上位に並ぶことからも、自社サイトの外に正しい情報を置くことの重要性が分かります。
日米の違いをAIごとに詳しく見たい場合は、「AIが引用するドメインは日本と米国でこう違う。ChatGPT・Gemini・AI Overviews別に解説」も参考にしてください。
ChatGPTの選び方は外から完全には見えず、モデルの更新で変わり続けます。だからこそ、自社に関係する質問でChatGPTが実際に何を検索し、どのページを引用したかを、記録し続けることが対策の起点になります。
Dr.AISEOでは、登録したプロンプトごとに、AIの回答の本文と、ChatGPTが裏側で実行した検索語(ファンアウトクエリ)を確認できます。「公式」「価格」のような言葉が足されているかを見れば、どんなページを用意すべきかが具体的に分かります。
日本語で質問しても、ChatGPTの検索語は日本語だけとは限りません。下の画面では、「ブランドの露出診断から改善施策までカバーするAIツールは何ですか?」という日本語のプロンプトに対して、ChatGPTが英語と日本語の2つの検索語で検索しています。英語の検索語で拾われるのは主に英語のページなので、海外の情報源が回答の材料に入る余地が生まれます。
回答ごとに、AIが参照したURLと、本文で引用したURLを確認できます。自社のドメインがどれだけ参照・引用されたかは、参照率・引用率として集計されます。自社が把握していないページが拾われていたり、古い情報のページが引用されていたりすれば、そのページを直すか、正しい情報を出し直すという手が打てます。
Dr.AISEOは、登録したプロンプトを週2回(日曜・木曜)自動で実行し、回答のログを積み上げます(2026年10月時点。無料プランは週1回)。GPT-6のような更新があったとき、外部の調査の平均値ではなく、自社の業界の質問で何が変わったかを前後のログで比べられます。過去の回答は、記録していなければ後から取り戻せません。
ChatGPTは、質問を検索語に分解し、外部の検索と独自インデックスから集めたページを短い文章に区切り、関連の強い文章を材料に回答を組み立てています。引用されやすいのは、文脈なしで意味が通り、固有名詞が多く、ほかの情報源と一致する文章です。
一方で、どの種類のページが引用されやすいかは、モデルの更新のたびに変わります。その時々の傾向を追いかけるより、第三者のサイトで正しく言及されること、価格や仕様を言い切った公式ページを整えること、本文をHTMLで読めるようにすることが、どのモデルにも効く土台になります。
自社の業界でChatGPTが何を検索し、どのページを引用しているかは、Dr.AISEOの無料プランで確かめられます。まずは主要な質問を登録し、回答のログを積み上げるところから始めてください。