海外のAI検索対策の記事を読むと、「Redditで発信しよう」「レビューサイトに載ろう」という助言がよく出てきます。米国ではChatGPTとGeminiが最も多く引用しているドメインがRedditなので、その助言には根拠があります。ところが、同じ調査会社が同じツールで日本の質問を調べると、ChatGPTの上位10にRedditは入っておらず、1位はコトバンク、2位はPR TIMESでした。
AIが引用するドメインの顔ぶれは、AIの種類だけでなく、国と言語によっても大きく変わります。海外のランキングをそのまま日本の施策に当てはめる前に、日本で何が引用されているかを確かめる必要があります。
| AI | 米国の1位〜3位 | 日本の1位〜3位 |
|---|---|---|
| ChatGPT | Reddit/Wikipedia/Consumer Reports | コトバンク/PR TIMES/マイベスト |
| Gemini | Reddit/YouTube/Wikipedia | note/Wikipedia/アメブロ |
| AI Overviews | YouTube/Reddit/Facebook | YouTube/google.com/Yahoo!知恵袋 |
本記事では、Ahrefsが公開している2026年9月版の米国と日本のランキングを使い、ChatGPT・Gemini・AI Overviews(AIによる概要)の3つで日米の違いを整理します。そのうえで、自社の質問でAIの引用元を確かめるためにDr.AISEOでできることを紹介します。
まずは無料でAISEOスコアを確認する →米国版と日本版は、同じツールで、業種を絞らない質問を集計したランキングです。ただし、順位の付け方が異なるため、比べられるのは数値ではなく、順位と顔ぶれです。
| 項目 | 米国版 | 日本版 |
|---|---|---|
| 調査元・ツール | Ahrefs ブランドレーダー | Ahrefs ブランドレーダー |
| 対象の質問 | 米国の、業種を絞らない幅広い質問(AI OverviewsとGeminiの記事では300万件超) | 日本の、業種を絞らない幅広い質問(約3,000万件) |
| 対象のAI(本記事で扱うもの) | ChatGPT・Gemini・AI Overviews | ChatGPT・Gemini(参考値)・AI Overviews |
| 順位の付け方 | 上位50ドメインの引用数の合計に占める割合(引用シェア) | そのドメインを引用した回答の数 |
| シェアの数値 | 公開 | 非公開(順位のみ) |
| 時点 | 2026年9月版(9月2日更新) | 2026年9月29〜30日に集計 |
どちらも、Ahrefsのブランドレーダー(AIの回答に登場するブランドや引用元を追跡する同社のツール)のデータです。米国版はAIごとに月1回更新されるランキングで、今回使うのは「2026年9月版」として9月2日に更新された版です(Ahrefs)。
日本版は、6月版に続く2回目の調査です。対象のプロンプトは7〜8月に約1,400万件から約3,000万件へ増えています(Ahrefs)。日本版のGeminiは、データの取得が2026年7月下旬に始まったため、前回との比較がない参考値として扱われています。本記事でもGeminiの日本の順位は参考値として扱います。
米国のChatGPTが最も多く引用しているのはRedditで、日本ではRedditは上位10に入っていません。一方、辞書や医療・公的機関のような「正解のある情報源」が上位にある点は、日米で共通しています。
米国のChatGPTの上位は、1位Reddit(16.8%)、2位Wikipedia(7.0%)、3位Consumer Reports(3.7%)、4位Forbes(3.1%)です。上位20には、HealthlineやPubMedなどの医療系、Merriam-WebsterやCambridge Dictionaryなどの辞書、WalmartやHome Depotなどの小売サイトが入っています(Ahrefs)。上位50には、米国食品医薬品局(FDA)や米国疾病予防管理センター(CDC)が新たに入りました。
日本のChatGPTの上位10は、1位コトバンク、2位PR TIMES、3位マイベスト、4位食べログ、5位厚生労働省、6位英語版Wikipedia、7位じゃらん、8位価格.com、9位note、10位農林水産省です。前回の6月版から7つが新たに入れ替わり、Ahrefsは今回最も大きく動いたAIとしています(Ahrefs)。
日米で共通しているのは、辞書と、医療・行政の一次情報が上位にあることです。米国のMerriam-WebsterとFDAに対して、日本ではコトバンクと厚生労働省が同じ役割を担っています。違うのは、米国のConsumer Reportsや小売サイトの位置に、日本ではマイベスト・食べログ・じゃらん・価格.comといった国内の比較・口コミサービスが入っていることです。
Redditの扱いも日米で分かれました。日本のChatGPTでは、6月版でRedditが1位に浮上していましたが、9月版では上位10から外れています(Ahrefs 6月版)。
補足として、米国でもRedditの引用は減っています。Ahrefsが10月12日に公開した調査では、米国のChatGPTでRedditを引用した回答は、3月の約5回に1回から、9月下旬には約43回に1回まで減りました(Ahrefs)。9月版ランキングとは指標も集計時点も違うため数値は並べられませんが、Redditへの依存が日米ともに下がっている方向は一致しています。
米国のGeminiはRedditへの集中が3つのAIの中で最も強く、日本のGeminiではnoteが1位です。「個人の体験談」を探しに行く先が、米国では掲示板、日本ではブログサービスになっていると読めます。
米国のGeminiでは、Redditが28.5%、YouTubeが14.6%、Wikipediaが8.8%で、この3つで上位50ドメインの引用の約半分を占めます。4位以下はWalmart(2.8%)、Forbes(2.7%)、Edmunds(1.9%)と続き、小売や自動車の情報サイトが目立ちます(Ahrefs)。
日本のGeminiの上位10は、1位note、2位Wikipedia、3位アメブロ、4位PR TIMES、5位Lemon8、6位マイベスト、7位Reddit、8位macaroni、9位YouTube、10位価格.comです。8月中旬まではWikipediaがnoteを上回っていましたが、その後noteが逆転しました(Ahrefs)。
日本の3つのAIのうち、上位10にRedditが入っているのはGeminiだけです。それでも7位で、上位にはnoteとアメブロという2つのブログサービスが並びます。写真と短文の投稿サービスであるLemon8は、日本で5位、米国でも13位に入っており、日米の両方で上位に入る数少ないドメインです。
お問い合わせはこちら →AI Overviewsは、3つのAIの中で日米の顔ぶれが最も近いAIです。YouTubeが日米ともに1位で、google.comとInstagramも両方の上位に入っています。
米国のAI Overviewsは、1位YouTube(22.9%)、2位Reddit(18.5%)、3位Facebook(10.1%)、4位google.com(8.8%)、5位Instagram(5.6%)、6位Quora(4.7%)です。上位8のうち6つが、動画・SNS・Q&Aのような利用者が投稿するサービスです(Ahrefs)。
日本のAI Overviewsは、1位YouTube、2位google.com、3位Yahoo!知恵袋、4位Wikipedia、5位note、6位Instagram、7位マイベスト、8位Amazon、9位PR TIMES、10位Lemon8です。日本の5つのAIのうち、YouTubeが6月版から1位を保ったのはAI Overviewsだけでした(Ahrefs)。
米国のRedditとQuoraの位置には、日本ではYahoo!知恵袋が入っています。知恵袋は6月版の10位から3位に上がりました。米国で3位のFacebookは、日本の上位10には入っていません。
3つのAIを並べると、日米の違いは「米国のサービスの位置に、日本の別のサービスが入っている」という形で現れます。米国で上位にあるサービスが日本でそのまま上位にあるとは限りません。
PR TIMESが日本で安定して上位にあることは、日本企業にとって大きな意味があります。PR TIMESは、6月版から9月版にかけて多くのドメインが入れ替わる中でも、日本の6つのAIのうち5つで上位10に入りました(Ahrefs)。企業が自ら発表した事実が、日本のAIでは引用元になりやすいことを示しています。
SNSが引用にどう影響するかは、「SNSとコンテンツ形式がAI引用に与える影響【調査レポート】月間引用数3.8倍増の実態」でも取り上げています。また、海外の複数のAIをまとめた引用ドメインの調査は「AI検索で最も引用されるドメインとは?5,860万件のデータで読み解く引用シェアの構造」で紹介しています。
日米のランキングの違いから、日本企業がとるべき行動は4つに整理できます。最も重要なのは、総合ランキングではなく、自社の業界と自社の質問で引用元を確かめることです。
4つ目が最も重要なのは、総合ランキングが業種を絞らない質問の平均だからです。自社の顧客が実際にAIに尋ねる質問で、どのドメインのどの記事が引用されているかを確かめない限り、どこに情報を載せるべきかは決められません。
Dr.AISEOは、自社の業界の質問をプロンプトとして登録し、ChatGPT・Gemini・AI Overviewsの3つのAIが、その質問に対してどのドメインを引用しているかを一覧で確かめられます。今回比べた3つのAIは、Dr.AISEOが対応しているモデルと同じです(2026年10月時点)。
被参照記事分析の画面では、AIが回答の情報源として引用したドメインを、参照率・引用率・競合参照率・競合引用率といった指標とあわせて一覧できます。自社・競合・第三者メディアを横に並べて比べられるため、「競合はよく引用されているが、自社は載っていない第三者メディア」が分かります。
ドメインを開くと、そのドメインの中でAIに引用された記事のタイトルとURL、そのドメインを引用したプロンプトの一覧まで確認できます。総合ランキングで「知恵袋が上位」と分かっても、自社の業界の質問で知恵袋が引用されているかどうかは分かりません。プロンプト単位でたどれば、自社が情報を出すべき媒体と、直すべき自社の記事を具体的に決められます。
今回の比較が示すように、引用元は国と言語で大きく変わります。Dr.AISEOでは、AI Overviewsを地域=日本・言語=日本語の検索結果から取得しており、日本の利用者が実際に目にする回答の本文と出典のURLを記録しています。チャネルごとの取得方法は「AI検索の計測は「UI」と「API」のどちらで取るべきか? 同じChatGPTでも結果が重ならない理由」で公開しています。
計測は週2回(無料プランは週1回)自動で実行され、回答と引用元の履歴が積み上がります。Ahrefsの6月版と9月版の間でChatGPTの上位10のうち7つが入れ替わったように、引用元は数か月で大きく動くため、同じ質問を繰り返し記録しておくことで、自社の業界での変化を追えます。
Ahrefsの2026年9月版を日米で比べると、AIが引用するドメインは、AIの種類と国の両方で大きく違いました。米国のChatGPTとGeminiではRedditが1位ですが、日本ではChatGPTの上位10から外れ、Geminiでも7位です。日本では、知恵袋・note・アメブロが掲示板の位置を、マイベスト・価格.com・食べログがレビューサイトの位置を担い、PR TIMESがChatGPTで2位に入っています。
日米で共通しているのは、辞書・百科事典と公的機関の一次情報、そしてAI OverviewsでのYouTubeとgoogle.comです。海外の記事で紹介される施策は、日本で引用されている媒体に置き換えて考える必要があります。
そのうえで最も確かなのは、自社の業界の質問で、AIが実際にどこを引用しているかを測ることです。Dr.AISEOは無料プランから始められ、自社の質問に対してAIがどこを引用しているかを確かめられます。