日本のGoogle検索でも、AI Overviews(AIによる概要)は珍しいものではなくなりました。サイバーエージェントが2026年7月に約12万件の検索語を調べたところ、全体の約70%でAI Overviewsが表示され、情報を調べる検索に限ると87.5%に達していました。検索した人が最初に読むのは、検索結果のリンクではなくAIの要約になりつつあります。
では、AI Overviewsはどのページを引用元に選んでいるのでしょうか。Googleは、AI Overviewsも通常の検索と同じ順位づけのしくみの上で動いていると説明しています。一方で、引用されたページのうち、同じ検索語で上位10位以内にあったものは4割弱にとどまるという調査もあります。このずれは、Googleが元の質問を関連する複数の検索に広げて情報を集めていることで説明できます。
| これまでの検索対策 | AI Overviewsへの対策 | |
|---|---|---|
| 狙う範囲 | 1つの検索語での順位 | 関連する検索まで含めた論点の全体 |
| 書くこと | 検索語に合った答え | 他のページにない情報・経験・データ |
| 測るもの | 順位とクリック | 引用・ブランド名の登場・その安定性 |
本記事では、AI Overviewsが表示される検索と引用元が選ばれるしくみを整理し、引用されるための書き方、誤った回答を直した事例、見え方の測り方を解説します。あわせて、Dr.AISEOでAI Overviewsの回答を追い続ける方法を紹介します。
まずは無料でAISEOスコアを確認する →AI Overviewsは、調べもの・比較・評判の検索ほど表示されやすく、購入の手続きや店に行くための検索では表示されにくい傾向があります。比較やレビューの検索に限れば、日本の表示率は米国と大きく変わらない水準です。Googleは、検索した人が複数の情報源から手早く理解したいと判断したときに表示すると説明しています(Search Engine Land)。
サイバーエージェントの調査(2026年7月、約12万件の検索語)では、AI Overviewsの表示率は全体で約70%でした。検索の目的で大きく分けると、知識・方法・評判などを調べる情報収集型の検索では87.5%、購入の検討・申し込み・予約・近くの店探しといった取引型の検索では49.7%です(Web担当者Forum)。
同じ調査は、26の分野と10種類の検索目的の組み合わせごとに表示率を出しています。その分野ごとの値を単純平均すると、情報収集型に含まれる意見・評判型の検索は89.1%、取引型に含まれる購入検討・比較型の検索は77.5%でした。取引型の平均を下げているのは、商品名で直接購入する検索や、近くの店を探す検索です。商品やサービスを比べたり、評判を調べたりする検索では、日本でもすでに8〜9割でAI Overviewsが表示されています。
米国でも、比較や検討の段階の検索でAI Overviewsが急速に増えています。Semrushが銀行・ソフトウェア・ネット通販の3分野で「代わりになるもの」「AとBの比較」「おすすめ」「料金」「レビュー」を含む400語を12か月追ったところ、表示率は2025年9月の45.75%から2026年8月には88%に上がりました。検索数の多さで重みをつけると97.08%です(Semrush)。
Seer Interactiveが2026年4月に547万件の検索語を分析した結果でも、比較の検索の95.4%、質問の形の検索の85.9%でAI Overviewsが表示されていました(Search Engine Land)。調べ方が違うため数値をそのまま比べることはできませんが、比較・レビューの検索で8〜9割という水準は、日本と米国で大きくは変わりません。
どの検索でAI Overviewsが出るかを見極めるには、検索語の分類よりも、その検索がGoogleにどんな作業を求めているかを見るほうが役に立ちます。説明・比較・おすすめのように、答えを出すために複数の情報を組み合わせる必要がある検索ほど、AIがまとめる対象になります。自社の商品やサービスを比べられる検索は、購入の判断に近い人の目に触れる場面でもあるため、優先して確かめる価値があります。
AI Overviewsは、元の質問を関連する複数の検索に広げ、検索インデックスのページから情報を集めて回答を作ります。このため、元の検索語で上位にあるページだけが引用されるわけではありません。
Googleは2026年5月に公開した生成AI機能向けの最適化ガイドで、AI Overviewsなどの生成AI機能は、検索の中核にある順位づけと品質評価のしくみに根ざしていると明言しました(Google検索セントラル)。回答を作るときは、検索インデックスから関連するページを取り出し、その内容をもとに回答を生成します。この方法はRAG(検索拡張生成)、またはグラウンディングと呼ばれます。
もう1つの特徴が、元の質問から関連する検索をいくつも作って同時に調べるしくみ(クエリファンアウト)です。ガイドは「雑草だらけの芝生を直す方法」という質問を例に、除草剤や、薬を使わずに雑草を取り除く方法などの関連する検索が作られると説明しています。AI Overviewsに表示されるには、ページがインデックスされ、検索結果にスニペット付きで表示できる状態であることが前提です。
Ahrefsが2026年3月に公開した分析(86万3,000件の検索結果、AI Overviewsの引用URL約400万件)では、引用されたページのうち、同じ検索語で上位10位以内にあったのは37.9%でした。11〜100位が31.2%、100位より下が31.0%です(Ahrefs)。
この結果は、関連する検索に広げて調べるしくみと合わせると理解しやすくなります。Surferが2025年11月に、1万語の検索語と17万3,902件のURLを分析したところ、元の検索語と関連する検索の両方で上位にあるページは、元の検索語だけで上位にあるページより161%引用されやすいという結果でした(Search Engine Land)。これは相関であり、関連する検索で上位にあることが引用の原因だとまでは言えません。また、同じ質問でも作られる関連の検索は実行のたびに変わり、毎回同じだったのは約27%でした。
狙う検索語は出発点にすぎず、その周辺で読者が次に知りたくなる論点まで含めて情報を用意することが、引用される機会を広げます。
引用されるための決まった型はありません。読者が判断に必要とする情報を、他のページより具体的に、はっきり書くことが基本です。Search Engine Landに寄稿した代理店の筆者は、2年半の検証から、AI Overviews向けの書き方として広まった手法の一部は根拠のない言い伝えだったと振り返っています(Search Engine Land)。
初期のAI Overviews対策では、会話調の文章、番号付きの手順、細かく区切った短い段落が効くと言われました。筆者は現在、効いていたのは形そのものではなく、答えがはっきりしていることや、手順の中で費用・条件・例外といった情報が示されていたことだと見ています。
Googleのガイドも、生成AI検索のために特定の書き方をする必要はなく、AIは同義語や検索の意図を理解できると述べています。AIに理解させるために内容を細かく分割する必要もないとしています。また、関連する検索ごとにページを量産する方法についても、順位やAIの回答を操作する目的で行えば、大量生成コンテンツの不正利用というスパムポリシーに違反すると明記しています(Google検索セントラル)。
Search Engine Landの記事の筆者は、情報の価値を4段階で捉えています。価値が低い順に、ありふれた答え、わかりやすい説明、観点を押さえた理解、そして最も価値が高いのが独自の根拠と経験です(Search Engine Land)。上の段階になるほど、Googleにとっては取り出す価値のある具体的な情報になり、読者にとっては他では得られない内容になります。Googleのガイドも、独自の視点や、自分で使った経験にもとづくレビューのような一次情報を勧めています。独自の情報がAIに選ばれる理由は、「「情報の正味価値」とは何か。AI量産コンテンツの海で唯一差別化できる方法」でも解説しています。
お問い合わせはこちら →AI Overviewsが自社について誤った回答をしていても、引用元のページを直してGoogleに再度読み込ませれば、回答が変わることがあります。Semrushが紹介した、要望投票ツールを提供するFeature Upvoteの事例です(Semrush)。
2026年7月、Feature Upvoteの創業者は、公開して1週間ほどの自社のAPI(外部のシステムと連携するための仕組み)の説明ページを探そうと、自社名とAPIで検索しました。ところがAI Overviewsは、同社にはAPIがないと回答しました。引用元は、APIがなかったころに書かれた同社の古いブログ記事2本でした。「Public REST API」を見出しに掲げた新しい説明ページは、引用されていませんでした。
同社は、AI Overviewsが引用していた古い記事を直してAPIがあることを明記し、更新したページのインデックス登録をGoogleに依頼しました。作業の途中で、API公開を知らせたブログ記事がインデックスされていなかったことも分かりました。業界メディアに記事を載せてもらう案もありましたが、実行しませんでした。
7月28日、登録を依頼してから約1時間後に、AI Overviewsの回答は「APIがある」に変わりました。翌日、ログインしない状態で3回検索し、偶然ではないことを確かめています。ただし、質問の言い回しによっては誤った回答が出る状態がその後数日続きました。9月10日の時点でも回答は正しいままでしたが、引用元は告知記事から、製品紹介のページとAPIの使い方の記事に入れ替わっていました。
Semrushは、修正には数週間から数か月かかる場合もあるとしたうえで、正しい回答がずっと続く保証はなく、定期的に確かめ直す必要があると結論づけています。誤った回答を見つけたときは、1回の検索で判断せず、3〜5通りの言い回しで回答の全文・日時・引用元を記録しておくことを勧めています。自社のブランド名で検索されたときの表示を確かめる方法は、「指名検索の8割にAI Overviews。自社の名前で検索されたとき、最初に読まれるのは何か」で詳しく解説しています。
AI Overviewsでの見え方は、引用されたかどうかだけでは測れません。引用の目立ち方、回答の本文でのブランド名の登場、関連する検索での安定性まで見て、最後は検索での反応と事業の成果につなげます。
Search Engine Landの筆者は、AI Overviewsでの見え方を次の4つの視点で捉えています。「AI Overviewsで何位か」と考えるより、こちらのほうが実態をつかめます。
4つ目の安定性は特に重要です。AIの回答は、同じ質問でも聞くたびに変わるためです。SparkToroは2025年11〜12月、約600人の協力を得て、ChatGPT・Claude・GoogleのAI(AI Overviews、表示されないときはAIモード)に同じ質問を繰り返し送りました。GoogleのAIでは、同じ質問を100回聞いても、推奨されるブランドの顔ぶれが完全に一致する回答が2回以上出る確率は1%未満でした。同じ質問でも、挙がるブランドの組み合わせはほぼ毎回違うということです(SparkToro)。1回の確認で出た・出なかったと判断せず、繰り返し確かめて、どのくらいの割合で出ているかを見る必要があります。
Googleは2026年6月、Search Consoleに生成AI機能のパフォーマンスレポートを追加しました。AI Overviews、AIモード、Discoverの生成AI機能で、自社のページがどれだけ表示されたかを、ページ・国・デバイス・日付ごとに確かめられます(Google検索セントラル)。日本でも使え、Googleが自ら出すデータとして、計測の土台になります(Web担当者Forum)。
ただし、このレポートで見られるのは表示回数で、クリック数と検索語は含まれていません(2026年10月時点)。どの検索で引用されたか、回答に何が書かれていたか、競合がどう出ているかは分からないため、重要な検索については、回答そのものを記録する別の計測で補う必要があります。
引用されても、クリックが増えるとは限りません。Seer Interactiveのデータでは、AI Overviewsに引用されたページは、AI Overviewsが表示されて引用されなかったページより表示1回あたりのクリックが120%多い一方、AI Overviewsが表示されない検索と比べると38%少なくなっていました(Search Engine Land)。
日本の利用者の調査でも、AI Overviewsの情報だけで検索を終えることが時々以上ある人は63.2%でした。一方で、AI Overviewsの中のリンクを時々以上クリックする人も54.2%いました(サイバーエージェント)。測る順番は「AIでの見え方→検索での反応(表示回数・クリック率)→事業の成果(問い合わせ・指名検索の増加など)」です。引用の状況とクリックを並べて見ることで、見え方の変化が成果にどうつながっているかを判断できます。
Feature Upvoteの事例でも、Search Engine Landの筆者の計測でも、要になっているのは「同じ質問を、言い回しを変えて繰り返し確かめ、回答と引用元を記録すること」です。手作業で続けると、検索語が増えるほど手間がかかり、過去の回答も残りません。Dr.AISEOは、この記録を自動で積み上げます。
Dr.AISEOは、Google AI Overviewsを検索結果の画面から、地域を日本、言語を日本語に設定して取得しています(2026年10月時点)。登録した質問は週2回(日曜・木曜)自動で実行され、必要なときは手動でも実行できます。AI Overviewsが表示されなかった回も記録されるため、表示そのものの増減も追えます。取得方法の詳細は、「AI検索の計測は「UI」と「API」のどちらで取るべきか? 同じChatGPTでも結果が重ならない理由」で開示しています。
計測結果は、集計した数値だけでなく、もとになったAI Overviewsの回答の本文と出典のURLまで確認できます。自社のページが引用されているかに加えて、回答の本文に自社の名前が出ているかをAIが文脈から判定します。同じ表記の一般名詞や同名の別企業は数えません。誤った回答が出ていたときは、どのページが引用元になっているかをたどり、Feature Upvoteのように直すべきページを特定できます。
1つの論点について、言い回しの違う質問を複数登録しておけば、関連する検索でも安定して出ているかを時間を追って確かめられます。競合のブランドを登録すれば、同じ回答の中で誰が出ているかも比べられます。記録が積み上がるほど、ページを直した前後の変化や、表示率そのものの変動を自社のデータで判断できるようになります。
AI Overviewsは、日本でも調べものの検索の9割近くに表示されるようになりました。引用元は、通常の検索と同じしくみの上で、元の質問を関連する複数の検索に広げて選ばれます。そのため、上位10位の外のページも多く引用されます。
引用されるために、AI向けの特別な書き方は必要ありません。読者が判断に必要な観点を押さえ、はっきり書き、自社のデータや経験のように他のページが真似できない情報を足すことが、長く効く対策です。誤った回答が出ていた場合も、引用元のページを直せば回答は変わりえます。
見え方は、引用の有無・目立ち方・ブランド名の登場・安定性の4つの視点で、時間を追って確かめます。Search Consoleのレポートを土台に、回答そのものの記録で補ってください。Dr.AISEOは無料プランから始められ、自社に関わる質問でAI Overviewsがどう答えているかを、回答の本文と出典まで確かめられます。